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基本情報

 

1.面積 36,125平方キロメートル(九州とほぼ同じ)
2.人口 150万人(2010年、世銀)

3.首都 ビサオ(Bissau)

4.民族 バランタ、フラ、マンジャカ、マンディンカ、パペウ等

5.言語 ポルトガル語(公用語)

6.宗教 原始宗教、イスラム教、キリスト教

 

 

 

貧困

 

農業の生産性は低く、識字率も低いゆえ、経済発展の基盤がない。世界最貧国の一つである。セネガルとの国境付近で武力衝突が発生しており、セネガルから7千が避難生活を送っている。汚職が氾濫し、中南米からヨーロッパへの重要なコカイン・ルートになっている。

 

 

 

女性の人権

 

50%の女性がFGMを受けている。1990年代からFGMに対する議論が始まったが、法律で禁止するには至っていない。それでも都市部ではすでに野蛮な慣習という認識が高まり、かなり減少している。地元のNGOや国際団体が協力して、廃止に向けて活動している。

また夫が妻を殴ることは認められている。

 

 

 

麻薬問題

 

 国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、ギニアビサウが欧州への麻薬密輸出の中継点として使われ始めたのは2004年ごろだ。現在、年間推計で約40トンのコカインが南米から西アフリカを中継点にして欧州に供給され、その大半はギニアビサウ経由とみられている。推定取引価格は約18億ドル(約1440億円)であり、同国のGDPのほぼ2倍である。年間40トンは最も少ない推計値であり、最大推計値は年間300トンに達する。この場合、取引価格は同国のGDPの実に15倍だ。UNODCは欧州に出回るコカインの4分の1が同国経由で持ち込まれたものとみている。

 米紙マクラッチーのクリス・コリン記者の今年5月14日付の記事は、ギニアビサウ国軍と南米麻薬カルテルの結託ぶりを示すエピソードをふんだんに紹介している。ギニアビサウ警察がコカインを押収し、コロンビア人容疑者2人を逮捕したが、軍が圧力をかけて釈放させ、押収したコカインもどこかに消えたケース。首都ビサウの空港にベネズエラのチャーター機が着陸し、国軍の警備の下、警察の目の前でコカイン500キロが積み下ろされたケース。ギニアビサウ警察で麻薬対策の責任者だった勇敢な女性、ルシンダ・ゴメス・バルボサさんはコリン記者のインタビューに「この国の問題の全ては麻薬密輸にある」と怒りをぶちまけている。

 米国務省は今年3月に発表した最新の国際麻薬統制戦略年次報告書で、ギニアビサウがコカイン密貿易の中継点に選ばれたいくつかの理由を指摘している。

 まず、法執行機関の実質的不在。カシューナッツの輸出以外にこれと言った産業もない同国の国庫は慢性的な財源不足に直面し、公務員には数カ月に渡って給与が支給されないことが一般的だ。この結果、警察官、税関職員、裁判官らを含む法執行機関の職員は、トップから末端まで賄賂で生活することが常態化している。

 次に密貿易に格好の国土環境。ギニア湾に面した同国を地図で見ると、本土の沖合に無数の島々が浮かんでいることが分かる。多くは無人島である。法執行機関の機能不全の状態では、麻薬カルテルによる洋上取引が容易である。

 そしてギニアビサウの置かれた地政学的位置と言語環境だ。アフリカのギニア湾岸は南米大陸から最も近く、東部アフリカや南部アフリカに比べると、欧州へも近い。さらにギニアビサウが元ポルトガル植民地であり、ポルトガル語を公用語とするアフリカでも数少ない国家であることが災いしている。周知の通り南米の大国ブラジルの公用語はポルトガル語である。他の南米の国々の公用語スペイン語はポルトガル語との近似性が強く、スペイン語話者の中にもポルトガル語を理解する人々が多数存在する。欧州側のコカインの受け入れ地は主にスペインであり、取引に関与する者たちの意思疎通が容易なのである。

 

 

 

政治的不安定

 

 軍によるクーデターが発生した西アフリカのギニアビサウで16日、軍司令官が国境や空港を封鎖すると発表したことを受けて、多数の市民が首都ビサウを逃れるなど混乱が広がっている。

同国では12日、軍兵士らがペレイラ暫定大統領や次期大統領の最有力候補ゴメス元首相を拘束。ゴメス氏は軍の縮小計画を支持していたことから、軍から反感を買っていた。

クーデターを受けて、旧宗主国のポルトガルは「完全に違法」だと強く非難し、ギニアビサウに在住する自国民の避難に備えて、軍を派遣したと発表。これに対し、ギニアビサウの軍司令官は国境や空港の封鎖を命じ、同国を無許可で出入りする陸空輸送便に対して軍事対応すると示唆している。

軍は市民らに平静を呼びかけているが、首都の銀行や政府機関は閉鎖され、かばんなどを抱えた旅行者らが国内の安全な場所に逃れようとバス乗り場に詰めかけている。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、同国に高官代表団を送り、クーデターは受け入れられないとする考えを軍指導部に伝える方針だという。(2012.4)

ギニアビサウの現状

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